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気管支の炎症が慢性化し、空気の通り道である気道が狭窄することで発作的な咳や呼吸困難が引き起こされる喘息。
喘息発作は時に死に至ることもある恐ろしい病気です。
喘息に対しては、発作が起こった時にそれを止める薬剤が開発されていますが、治療上一番大切なのは、｢発作が起きないように管理すること。」だと考えられています。
その為に有効なのが、気管支の炎症を抑える抗炎症剤の投与と、空気の通りを良くする気管支拡張剤の投与です。
以前は、この二つの薬剤は別々に投与されていましたが、１９９８年、イギリスの大手製薬会社「グラクソスミスクライン（ＧＳＫ）社」が開発した、気管支拡張剤・セレベント（サルメテロールキシナホ酸塩）、抗炎症ステロイド製剤・フルタイド（フルチカゾンプロピオン酸エステル）の二つを合成した薬剤「セレタイド」がヨーロッパで承認され、以来世界中で喘息治療及び慢性閉塞性肺疾患の治療薬として使用されています。
日本では、２００７年より使用が認められていますが、セレベント、フルタイドとの名前の混同を避けるために「アドエア」という商品名で一般に流通しています。
セレタイドは、単に二つの薬を一緒にしただけではなく、同時に吸入することで、二つの薬が確実に同じ場所に届くため、別々に吸入するよりも効果があがると言われています。
この薬剤に配合されている気管支拡張剤・セレベントは、効果が長時間作用型薬剤ですから、１日２回、朝晩の吸入で、日中の活動時間や、夜間睡眠中も発作が起こるのを防ぎます。
セレタイドは、発作の程度や、頻度を軽減させるコントローラーであり、起きてしまった発作を鎮静するリリーバーではありません。
毎日習慣的に使用していただき、長期的に管理されることが、喘息発作を起こさないためにとても重要です。

気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患の治療及びコントロール

●１回２スプレー・朝、晩１日２回吸入してください。
●フルタイドの副作用（声がれ、口腔カンジダ）を予防するため、吸入後はうがいをしてください。
*１日２回以上吸入しないでください。
＊吸入し忘れた時は、気づいた時点で吸入してください。
ただし、次の吸入と間隔が短い時は、調節が必要です。
＊決して一度に２回分の吸入をしないでください。

フルタイドは安全に使用できるステロイドですが、声がかすれたり、口腔内や咽頭部に不快感や、カンジダが発生することがあります。
本剤使用後、うがいをすることで防げると言われていますが、症状が気になる場合は医師にご相談ください。

●喘息発作が起こった場合は、本剤ではなく、発作止めの薬を服用してください。
●小児喘息には使えませんので、絶対に投与しないでください。
●以前、本剤を使用してアレルギー症状が出た方はご使用にならないでください。
●結核、感染症、甲状腺機能亢進症、高血圧、心疾患がある方は、ご使用になる前に、医師にご相談ください。
●妊娠中、および授乳中の方はご使用にならないでください。
●他の治療薬や、念のためサプリメントを服用中の方は、医師にご相談ください。